5/23(月),6/6(月) 野上【レビュー】敬語表現に見られるジェンダーイデオロギーとその機能

2016年06月18日 23:11


野上です。

5月から6月にかけて発表を行った私の報告をさせていただきます。


1、2年次で敬語使用や男女差による敬語使用意識についての調査・発表を本ゼミ内で行いました。

今回はそれを発展させ、「フォーマルな言葉遣いにもジェンダー機能は見られるか」という疑問のもと調査を行うこととしました。

一般にジェンダー機能はインフォーマルな場で発生するというのが定説となっていますが、フォーマルなことばづかいにもジェンダー性が存在するのではという仮説のもとこの調査を行いました。

フォーマルな言葉遣いとして今回選定したのは、漢語(熟語)・和語を用いた敬語表現です。実際に「男性は漢語を多用し女性は和語を用いる」という研究も存在し、多くの社会言語学入門書ではこれが自明のこととして示されています。そこで、漢語・和語がジェンダー機能として働くかという実証を行うとともに、「男らしさ」「女らしさ」を象徴するイメージと結びつくかということを分析の観点として置いています。


以下、調査概要と発表の反省点です。


【調査概要】

回答対象:都内の大学に通う19~22歳の大学生

回答人数:50名(男性20名、女性30名)


【反省点】

まず、調査用紙を分析方法と結びつけて作成しなかったがために結果的に調査してみたはいいけど...の状態になってしまったことが大きな問題点でした。正直、統計に手をつけながら調査を行ったために同時並行となってしまっていました。

2回目発表で調査結果をもってきているにも関わらず、フロアの皆さんから調査方法のところをツッコまれてしまうというのは本当に情けない話で、

これを1回目でもらえるような発表にしないといけないなと感じました。

すなわち、1回目の時点で明確に調査概要、分析方法等を提示し、そこで意見を貰わねば、発表として無意味なものとなってしまうということを痛感しました。

京都からわざわざ顔を出してくださった太郎さんにも、「立てた仮説を証明するために一番いい方法はないかなって考えるところが一番時間かかるんだよね。」と言われました。ごもっともです。


これから、いただいた意見を基にこのデータを洗い直す作業を行いたいと思います。

みなさんには、これを反面教師として、1回目で実のある発表(自分にとってもフロアにとっても)にする努力をしてほしいなと感じました。




お問い合わせ先

ことば実践研究会 kotobazissen@outlook.com